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Home / BL / 俺ともう一人の私、どちらが好き? / 第13話 引きこもりの原点(03)

第13話 引きこもりの原点(03)

Author: 星琴千咲
2025-06-26 10:11:04

「あなたの質問に答える前に、一つ聞きたい。悠治の両親のこと、どのくらい知ってるの?」

「交通事故でいなくなり、その日は、14年前のバレンタインデー、あっていますか?」

「基本的に間違いないわ。そのほかは?」

「悠治くは、両親にひどい恨みを持っているらしい。その恨みの理由は分からないが、雪枝さんに知られたくないみたい」

「へぇ、恨みを見せてもらったのか」

黒河は興味深そうに眉を吊り上げた。

「見せてもらったというより、勝手な推測です……やはり、両親を恨むようなことがあったのですか?」

「あったわよ」

黒河は嘆きながら、五本の砂糖を一斉にコーヒーに入れた。

「……」

「『あの件』を知った夜、彼は自分を警察署のトイレに閉じ込めていたの」

(引きこもりの原点は警察署のトイレか、なかなかやるじゃないか……って、感心する場合じゃない‼不謹慎だ!)

大介は急いで飛ばしすぎる脳電波を回収した。

14歳の悠治は自分を警察署のトイレに閉じ込めた。

大人たちからどんなに話をかけられても出てこなかった。

我慢の限界に、両親の「事件」の調査を担当する黒河は男子トイレに突入し、一蹴でトイレの鍵をぶっ壊した。

「いつまで引っ込んでるつもり?クソ親でもクズ男でもビッチ女でも、言いたいことがあったら大声であの二人に言え!」

「……」

便座の上で膝を抱え込む悠治はおどおど頭をあげて、驚愕と恐怖に震えた。

でも、すぐにまた引きこもった。

「……いまさら何を言う……どうせ、僕たちはどうでもいいものだ。ほっとけ……そのうち、どこかに消えるから……」

「『僕たち』とはなんだ?妹まで道ずれにするつもり!お前が立ち上がらなかったら、彼女はどうす

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